最近の蓮は、新しい技を生み出した。パソコンの前に陣取って、私をじっと見て、キーボードを踏む。あわてた私が抱っこして撫でて褒めると、喉ゴロゴロのゴキゲンになる。機嫌が直ったのを見計らって蓮を床に降ろすと、また駆けてきてデスクによじの...

まぁ普通に考えれば当然だろう。定価は五～二十万。私が売主の立場だったら少し色つけてくれよと思う。とはいえ世の中にはおもしろい案件は多々あるわけで。寝具はみつからなかったが、かわりに家族がみつかった。 生きてる家族ではない。巨...

さすが高級寝具売場である。どれも、横になったとたんに視界に満天の星空がひろがったかと思うくらいに、良かった。いくつか試してみたうち、ことに体に合ってたらしいのが、西川のＡＩＲシリーズだった。高いのだと二十万もするが、最安のものは五...

背中が痛い。蓮がまだ敵意むきだしの野良心で生きてた頃、家中にチッチをしてくれたおかげで、布団がなくなった。新しいのを買うお金もなかったので、以来ずっと、赤ちゃんが寝ても床つきするレベルに薄い、簡易寝具で寝ていた。それで背中を痛めた...

重役とふたりで食堂へ行き、食堂のおっちゃんと話をして、社食代の返却を受けた。重役は、たかが五百円でこんな恥かかされるとは、と不機嫌でいた。食堂のおっちゃんは、汗ダラダラで恐縮して平身低頭でいた。なるほど。おっちゃんをイジメるなと言...